KAWA Ladies Clinic  カワレディースクリニック   堺市南区若松台3-2-3 TEL:072-297-2700

KAWA Ladies Clinic カワレディースクリニック

カワレディースクリニックのホームページはこちら

院長 河 元洋

「妊娠かな…と思ったら」
 30年近く前の学生時代の話です。産婦人科の試験で「妊娠確徴を述べなさい。」との問題が出題されました。当時の私は勉強不足で、月経が止まる、つわりがある、等を解答したと記憶しています。確かにテレビドラマでは、今も昔も、女性に突然吐き気がおこり、洗面所に向かえば100%妊娠です。しかし月経が止まる、吐き気等の症状は妊娠以外でも起こり得ますので、これらは妊娠「確徴」ではなく「疑徴」です。「妊娠確徴」とは、妊娠以外では起こり得ない徴候のことです。昔の教科書には、胎児部分を触知、X線撮影による胎児骨格の確認、児心音の聴取、基礎体温で高温相21日間以上持続等が「妊娠確徴」であると記されていました。しかし現在では右記症状のみで「妊娠しています」と診断する産婦人科医はほとんどいないと思います。
 現在は超音波検査が普及していますので、超音波検査で子宮内に元気な胎児が確認できれば、正常妊娠と診断されます。まさに「妊娠確徴」です。
 最近では、妊娠かな…と思った場合は、妊娠検査薬を使用する方が多いです。ところが妊娠検査薬陽性は「妊娠確徴」ではありません。異所性妊娠(子宮外妊娠)、流産、胞状奇胎等でも検査薬陽性となります。また妊娠していれば排卵後14日 (この時期は月経予定日と一致します)経過すれば検査薬陽性となることが多いのですが、14日以内なら受精着床していても反応は陰性のことがあり、後日に陽性となります。
 月経が遅れている場合や妊娠徴候がある場合は、検査薬だけでは正常妊娠かどうかの判断はできません。陽性反応があれば早めにクリニックを受診してください。超音波検査で「妊娠確徴」を確認する必要があります。(2017年7月27日号掲載)

▲ページ上部へ

「満足のいく良いお産のために」
 平成28年の出生数が戦後の統計開始以来、初めて100万人を割りました。平成12年に児童虐待防止法が制定され、児童虐待を疑う場合は、速やかに福祉事務所・児童相談所に通告しなければならないとされました。現在日本では少子化が進行しているにもかかわらず、児童虐待件数は増加しています。
 自宅分娩が中心であった昭和30年代以前に比べ、現在では診療所、病院での出産が大多数となり、母子の安全性は著しく改善しました。しかし安全性と引き換えに家族で行っていた自宅分娩で得られた快適性が損なわれ、同時に育児への接し方が難しくなり児童虐待と関連しているとの考えがあります。
 安全性と快適性は相反するものではありません。快適性はいわゆるローリスク妊婦のみが望めるわけではなく、ハイリスク妊婦や帝王切開術での出産が必要な妊婦さんであっても快適性を望むことは可能です。
 現在核家族化が進んでおり、妊娠、出産、育児の際に、大家族の十分な支援を得ることは困難なことが多いです。しかし医療関係者を含めた周囲の人の助けを受けることは可能ですし、「満足した、いいお産」後の育児であれば、少子化対策や虐待防止につながる可能性があります。
 一生に何度もお産を経験するわけではありません。また満足のいくお産とは妊婦さんにより価値観も違います。われわれ医療従事者は、それらを日々心がけ常に追求していく必要があると考えています。
 わからないこと、不安に思うことがありましたら、悩みは一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。(2017年5月18日号掲載)

▲ページ上部へ